OriginのEAマルチプレータイトル(Apex Legendなど)がSteamでも遊べるようになるという朗報
SteamにAAA級のビッグニュースが飛び込んできた。
Originを運営するEAとSteamを運営するValveの業務提携が発表されたのだ。
PCゲーム愛好家ならダウンロード販売プラットフォームとして知らない人はいないOriginとSteamの事実上の統合は自称Steamインフルエンサーのユーロとしては黙っているわけにはいかない。
ブログを通して、明らかになった事実と私見を書こうと思う。
現時点で分かっていること
まだ発表されたばかりだが現時点で分かっていることは以下の通り。
・10月29日、Valveと提携し、EA作品をSteamにてリリースすると発表
・第1弾タイトルは、11月15日発売予定の『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』
・今後数か月の間に『The Sims 4』や『Unravel』などの大型タイトル
・来年からは『Apex Legends』『Battlefield V』『FIFA 20』なども配信
・マルチプレイ対応タイトルは、Steam版とOrigin版のプレイヤーが一緒にプレイできる
・EAのサブスクリプションサービスである「EA Access」もSteamにて来春から展開
この中で一番気になったのは、すでにコミュニティーの出来上がっている『Apex Legends』『Battlefield V』『FIFA 20』などのマルチプレー対応タイトルがSteamでも遊べることだろう。
言うまでもなく2019年に彗星のごとく登場した『Apex Legends』や、長年の看板タイトル『Battlefield』がSteamで遊べるのは大きいニュースだろう。
日本ではおま国扱いのサッカーゲームに一石
実は海外ではSteamでウイイレ(PRO EVOLUTION SOCCER)を遊ぶことができる。
しかし、国内では販売が制限されている(いわばおま国)ため、Steamでは有名どころのサッカーゲームを遊ぶことはできない。
なので、サッカーゲームはSteamのジャンルとして確立されておらず、特に日本では絶滅危惧されているジャンルといえよう。
Steamでは例えば将棋や囲碁、麻雀などのテーブルゲームなど日本人コミュが集まりそうなジャンルはあるが発売されていないゲームがある。
日本における近年の将棋人気からすれば、この市場がSteamで開拓されていないのが不思議なくらいだ。
最近「雀姫」という日本式麻雀を扱うゲームが登場し、話題を集めた。
Steamには上海はたくさんあれど、日本式麻雀は競合ゲームがなく、ゲーマーが分散しないからだ。
話は逸れたが、今回の統合で『FIFA 20』がSteamで遊べるようになったことは大きい。
海外では圧倒的なシェアを誇る『FIFA 20』はSteamでも流行るに違いない。
ウイイレで育った日本のサッカーゲーム愛好家がどれほどSteamに来るかは分からないが、おま国ジャンルに一石が投じられることは間違いないだろう。
Steam初のサブスクリプションサービス提携
個人的に期待しているのは「EA Access」がSteamにて来春から展開されることだ。
EA AccessのHPでは『EA AccessをPCで利用するにはどうすればいいですか?』の問いに
EA Accessは現在Xbox OneとPlayStation 4以外ではご利用いただけません。PCをお使いの皆様は、姉妹サービスのOrigin Accessで同じ特典をお楽しみいただけます。
とあるため、現時点ではXbox OneとPlayStation 4所有のユーザーがSteamでゲームを購入できるようになるとしか言いようがない。
例えば、Steamウォレットで余った金額をEA Accessで使うということが可能になるというわけだ。
具体的な仕様はSteamでサービスが始まってみないと分からないが、サブスクリプションサービスがSteam内で展開されるのは大きい。
最近はほとんどプラットフォーム関係なくゲームがリリースされているので今さら新鮮味はないかもしれないが、コンシューマ勢がSteamに来るきっかけを与えるのではないかと考える。
人気ゲームにすぐ人がついてくるというSteamの強み
Battle.netで人気だったDestiny 2が基本プレイ無料化されSteamに来た(10月1日)のは記憶に新しいだろう。
ピーク時には292,513人のユーザーがゲームをプレーし、現在でも常時20万人近くが遊んでいる。
Steamは同時接続数の上位ゲームを常時公開しているのだが、人気タイトルはすぐに人がつく傾向にある。
これはSteam内にコミュを簡単に形成できるような機能が充実していることに他ならない。
個々のゲームにはスレッドが立ち、スクショやレビューが投稿され、アクティビティやキュレーター、ストリーミングで拡散される。
新規ゲームに対してこれほど強固なコミュが一斉に動く力を持っているプラットフォームはSteam以外にない。
▲発売から1か月に満たない時点で17,000以上のスレッドが立っているDestiny2
もちろん持続するかどうかはその後のコンテンツの充実にかかっているのだが、これまで上位同時接続の常連だったValveのタイトルに変化が起こっていることは間違いない。
上位10タイトルのうち7タイトルがValve以外のゲームであり、Destiny2はトップ3に食い込んでいる。
(左から順に現在のプレーヤー数、今日のピーク。ゲーム名は自社タイトル)
231,471 | 535,222 | Dota 2 | |
219,152 | 562,221 | Counter-Strike: Global Offensive | |
160,999 | 180,495 | Destiny 2 | |
50,270 | 56,174 | Team Fortress 2 | |
48,477 | 89,265 | Tom Clancy’s Rainbow Six Siege | |
34,523 | 52,104 | Rocket League | |
31,391 | 74,592 | Grand Theft Auto V | |
26,217 | 42,910 | Rust | |
23,514 | 41,347 | Warframe | |
22,367 | 36,967 | ARK: Survival Evolved |
『Apex Legends』『Battlefield V』『FIFA 20』のマルチプレータイトルがSteamで遊べるようになればこれらの勢力図が大きく塗り替えられることは間違いないだろう。
Steamは最近開発者とユーザーを繋げるイベントの強化を図っているので、これらの人気タイトルは瞬く間にユーザーとの間で強固なコミュが形成されることだろう。
PCゲームがもっと身近に
マニア向けとされていたPCゲーム市場もマルチプラットフォーム化されたおかげで随分とメジャーになってきた。
2018年度の国内PC市場は出荷台数14.5%増、うちゲーミングPCの売り上げは(特に2016年から)飛躍的に増加しているという。
自社タイトルが人気の任天堂は別として、主要なXbox OneとPlayStation 4のタイトルもSteamで遊べるようになってきた。
日本ではこれからも「コンシューマ機でゲームをプレーする」文化は根強く残っていくだろうが、世界規模でみるとEAとSteamの提携はPCゲームとコンシューマゲームの垣根を取り払うのに一役買うに違いない。
それと並行して安価なゲーミングPCも登場することが見込まれる。
スプラトゥーンがSteamで遊べるようになることは、フォートナイトがSteamで遊べるようになるより難しかもしれないが、今後もSteamを通してPCゲーム市場が盛り上がることを願ってやまない。
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