祝日本語!「theHunter: Call of the Wild」レビュー…美しいオープンワールドでリアルな狩りをしよう

2019年8月19日

ユーロが面白いゲームの中からハマったゲームを紹介するゲームレビュー

今回はtheHunter: Call of the Wildを紹介します。

大体自分はハマるとしばらくそればかりプレーしてしまうのですが、theHunter: Call of the Wildほど集中してプレーしたゲームはないかもしれません。

現時点で40時間ほどしか遊んでいないので、その範囲でのレビューになることをご了承ください。

theHunter: Call of the Wildとは?

Avalanche Studiosが2017年2月16日に発売したオープンワールドの中で動物たちの狩りをしていくハンターFPS。

2019年6月25日のアップデートで日本語に対応し、日本人プレイヤーも増えました。

theHunterclubというディスコサーバーも用意されているほどです。

開発はジャストコーズシリーズを手掛けるAvalanche Studios。自社開発のAPEXというゲームエンジンが使われ美しいオープンワールドを特徴としています。

ジャストコーズシリーズもそうですが、この会社はオープンワールドの美しさだけは秀でているのではないかと思います。

theHunterの魅力


(キルログもあるが、むしろそれは目的ではない)

例えば戦闘系のFPSだとシングルであれマルチであれ短期間でどれぐらいキルできるかに主眼が置かれます。

なので、すぐに爽快感や達成感を得たい人に向いているゲームと言えるでしょう。

theHunterはそうではなく、自分がハンターになってリアルに狩りを楽しむ静のFPSであり、動物を短時間で狩りできるわけではありません。

半日(リアルで3時間ぐらい)山を彷徨ってもほとんど狩れないこともザラです。

ただ美しいオープンワールドのおかげで、綺麗な景色を散歩しながらゆっくりと狩りを楽しめる良さがあります。


(展望台をアンロックすると周辺の全景をみれる)

狩場は実際の地域が使われておりランドマークも用意されています。

日本語公式対応のおかげで、ランドマークの説明も日本語で把握することができます。

つまり、ハントしなくても観光地を巡るウォーキングシミュレーター的な遊び方もできるのがtheHunterの一つの魅力になっています。

狩りをする仕様はかなりシビアでリアル


(狩る動物によって呼ぶ笛が決まっている)

狩りをしたことはありませんが、山中にある痕跡を辿りながら狩りをする実際に「狩りって大変だな」と思わせてくれるほどリアルです。

動物の痕跡からも、動物の種類はもちろん進む方角、歩いているか走っているか、糞からはここをいつ通ったか、群れで行動しているかなどあらゆる情報をキャッチできます。

しかも痕跡を追っているだけでは動物も警戒し一向に狩れません。

近くでシカの鳴き声が聞こえたなら死角となる場所でかがんで立ち止まり、シカの臭いを自分に振りかけ、シカ笛でおびき寄せます。


(粘り強くおびき寄せると至近距離に動物が来てくれる)

そして、動物が見えたら距離によってどの武器で狩るのが適切かも判断します。

スナイパーライフルか、弓か、ピストルか、どんな種類の弾を仕込んでいるか、風向きは大丈夫かなど狩りをする際も様々な要素を考慮に入れなければなりません。


(至近距離で群れを撃つ場合、リロードの早いピストルが有効なのは対人FPSに似ているかもしれない)

狩る上で厄介なのは風向きです。

例えば風上に立ち風下の動物を待つ場合、人間の匂いが風に乗って風下に行きますから動物の匂いスプレーを撒いていない場合は風下にいる動物は一向に来てくれません。

その場合は始めから風下に移動するのが正解です。そして、粘り強くその場で待つ必要があります(その辺りは恐らく実際の狩りも同じでしょう)

横風はエイムに影響を受けますから適切に息止め(ブレが少なくなる)をし、瞬間を狙うエイム力も試されます。

もちろん息止めは一定時間を過ぎると解除され荒い呼吸になれば大きくブレます。

こうして様々な要素を考え、命中すると当たり所が良ければその場に倒れますし悪いと逃げられてしまう場合もあります。

なので当たり所によっては血の痕跡を追って倒れている時点まで移動する必要があります。


(回収すると細かいデータを見れる。臓器に当たると命中してから倒れるまでの距離は短い)

その痕跡を追うのか、他の場所に移動するのかもすべて自分の判断に任されています。

ただ一つ親切なのはその動物が死んだ時だけマップ上に死んだことを知らせる狩猟圧(ハンティングプレッシャー)という範囲マークが記されます。


(紫の円が狩猟圧。初弾が当たった場所を中心に広がる)

もしマークがついたなら血を痕跡を追えば死体が発見できる仕様になっています。

ただ、狩猟圧があるうちは他の動物が寄りにくくなるというデメリットもあります。

群れは餌場や休憩所に移動しながら立ち寄るため、その線上に狩猟圧がある場合はなかなか群れは来てくれません。

このように狩りをする仕様がかなりシビアでリアルなのもtheHunterの一つの魅力です。


(群れに出会うと複数の動物を1カ所でまとめて狩ることも可能)

動物の少なさは拡張性で補っている


(奇跡の耳狩り)

レビューをみると「狩れる動物が少なすぎる」という意見がみられます。

ただ、アルプス地方にライオンがいたらおかしいし、アフリカにアカキツネが生息していたらおかしいでしょう。

つまりこのゲームはマップの構造も含めて「限りなくリアル」に近づけており、地域によって限られているからこそ意味があるなと感じます。

そして、初期マップは2つで他の地域で新しい動物を狩ろうと思えば新しい地域の有料DLを購入する必要があります。

さらにファストトラベルはあるとはいえ、移動手段が「走る」だけなら正直しんどいですが、移動手段として「バギー」があります。


(有料テント。寝泊まりはもちろんなぜかアイテムを買えるし、なぜかガレージもありバギーを呼べる)

またファストトラベルで行ける小屋でしかベッド(時間を過ぎさせる)はありませんが、どこでも設置でき寝泊まりできる「キャンプ」も存在します。

これらはすべて有料コンテンツです。

つまり、新しい地域、移動手段、どこでも寝泊まりという「あったら便利だな」というアイテムはすべて有料になります。

一見「有料かよ」と思いますが本体の定価が2000円と抑えられているのでそんなに理不尽さは感じません。

むしろ、2000円では安すぎるのでマネタイズとしては妥当なのかなと思います。


(新マップが登場する度に楽しくなる感じはユーロトラックシミュレーターに似ている)

ETS2のように、新マップがリリースされるたびにワクワクする狩りが待っている(新しい動物を狩れる)ということを考えると、長く遊べるタイトルになりそうです。

ETS2といえtheHunterといえ、おっさんおばちゃんを満足させるに足るゲームだなという感じがします。

狩れなくてもウォーキングシミュレーター


(抜群のロケーションが待っている)

このゲームは1時間狩りに出かけても、満足できる狩りができないこともあります。

通常のFPSと違い、すぐに結果が出るわけではありません。

ですが、狩りの他に各地のランドマークを巡ったり、展望台に行ったりと世界の国立公園を散歩するウォーキングシミュレーター要素があるので狩れなくても苦になりません。

それもまた美しいオープンワールドの副産物と言えるでしょう。

決して万人受けするではありませんが、自分の思ったところに群れが現れ、複数狩りができた時や違う動物を連続で狩れた時などは満足感、達成感もあるので是非プレーしてみてください。

Avalanche Studiosには是非ジャストコーズや新作をリリースするのではなく既存のゲームを育てて欲しいですね。全世界を網羅して欲しいものです。

日本が舞台だと北海道・東北地方のキタキツネで、笛ではなく「ルールルルルル」で呼ぶのかな…。

theHunter: Call of the Wild