DISTRAINT: Deluxe Editionの日本語ネタバレ解説…主人公を導いた切ない結末とは?
DISTRAINT: Deluxe Editionというゲームを第81回目のワンコインディーとして紹介したのだがプレー中は今いち内容が掴めなかった。
そこで改めてこのゲームの内容について解説しようと思う。
(ネタバレを含みます)
DISTRAINTとは?
このゲームのジャンルは2Dホラーアドベンチャーとなっているがゾンビなどの分かりやすい恐怖よりも、精神的恐怖を具現化した作品と捉えられる。
BGMや効果音が主人公の精神状態と相まって物語の世界観を構築し、じわじわとプレイヤーを恐怖へと誘う。
3Dのような派手さはないが、帯状の2Dグラフィック、デフォルメされた主人公の描写が逆に怖さを増幅する。
謎解きや簡単なパズル要素も物語に沿ったもので取ってつけ感はなく、楽しめる。
DISTRAINTの意味
DISTRAINTは「動産を差し押さえる」という意味。
主人公プライスの仕事だ。
借金などの理由で立ち行かなくなった人に立ち退きの契約を迫って追い打ちをかける嫌な仕事だ。
プライスは自分の仕事の罪悪感に苦しみながらも、貧しい生活から逃れるため仕事を続けていく。
職種が職種だけに給料は良いのだろう。
そしてプライスは立ち退きの仕事をやってのけるなら、報酬が保証されていた。
そう、成功させた暁には共同経営者への道が開かれていたのだ。
自分自身の出世と、職種からくる罪悪感との闘い。物語はとある老婦人の資産を取り押さえるところから始まる。
グッドウィン夫人との出会いだ。
グッドウィン夫人との出会いがプライスを変える
グッドウィン夫人はプライスにどこまでも優しかった。いつもプライス の身を案じていた。
しかし、取り立てられる側の彼女が取り立てる側のプライスに優しくすればするほど彼は精神的に追い詰められることになる。
そんなある時プライスに「グッドウィン夫人が脳卒中で倒れた」という知らせがあった。
身寄りのいない夫人は自分に何かあった時にプライスに電話をしてくれと頼んでいたらしい。
つまり夫人はプライスを身内同然と考えていたのだ。
ブライスは早速夫人を見舞いに行った。自分が家を取り上げたばっかりに夫人は倒れてしまった。
罪の意識を感じたプライスは夫人に謝った。自分が面倒をみると申し出たりもした。すると夫人は?
「やめなさい、自分を責めてはダメよ」
「あなたにはあなたが気にしなくてはいけない 人生があるのよ」
そう言ってプライスの申し出を断った。
共同経営者としての道、そして転落
やがて、夫人は息を引き取った、墓参りを済ませたプライスは辞表を提出しに会社に向かった。
会社に戻ると自分が今までやってきた仕事がいかに人を陥れていたかを知らされた。
しかし、自分の野心には逆らえなかった。
彼は自分にサプライズとして用意されていた共同経営者としての人生を受け入れることにしたのだ。
彼の幸せは長くは続かなかった。やがて大きな借金を抱えまた古いアパートへの貧乏暮らしに戻ったのだ。
ブライスは自分へ取り立てにきた若者に、自分と同じ道を辿らないよう諭した。
そしてプライスは自分の部屋を後にした、両手にショットガンを抱えて…。
人生の意味を考えさせられる作品
この作品にはプライスの抱く罪悪感が心理的ホラーとして表現されていて、プレー感は実に味わい深い。
ゾンビを打ち倒すようなアクション要素よりも、人の内面の描写などがあるストーリー重視のアドベンチャーゲームが好きな人に是非プレイしてほしい。
一人の男の切ない物語がそこにある。
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