Silver Chains(シルバーチェーン)の考察と攻略(ネタバレあり)

2021年5月4日

Silver Chainsをクリアした。

普段ホラーゲームをしない自分だが、びっくり演出、鬼ごっこ、館の探索とホラーゲームに必要な要素が詰まっておりなかなか面白かった。

このゲーム、「物語を重視した」ホラーゲームと謳っている割には物語の全容が分かりにくく、考察をしようにも100%完全に理解したかと言えば怪しい。

ただ本作のキーパーソンである、屋敷に住む母親の日記を一部抜粋して文字起こししたのでそこから物語を考察してみることにする。

日記から考察する「屋敷で起こったこと」

ゲームでは日記の断片をバラバラに見つけるのだが、それを時系列にまとめると以下の通りになる。重要な出来事にはマーカーをつけてみた。

1900年8月17日 「一昨日ハロルドが長旅から帰ってきた。子供たちは喜び、彼からたくさん話を聞いた。子供たちはおもちゃと人形(ハロルドのお土産)をもらってはしゃいでいたわ。ハロルドは長旅の後で体調が優れないみたい」

1900年8月21日 「愛するハロルドが昨日この世を去った

1900年8月27日 「ハロルドなくなって1週間。彼は旅から帰ってきて変わってしまった。私は助けてあげられたかもしれないという罪の意識。そのことばかり考えている。家政婦は私を心配し医師に連絡。薬を処方された。疑心暗鬼(愛する人を亡くした私がこんなもので治るはずがない)。医師は彼の友人を子供たちの世話係として紹介。それには同意、子どもたちも含め私は避けるように一人で閉じこもっていたから」

1900年9月4日「ティミーはお父さんはどこに行ったのかといつも泣いていた。エリーは誰とも話さなくなった。子供たちの世話係の息子ピーターは子供たちと遊ぼうとするが彼らはまったく関わろうとしない。そして昨日タムシンが……」

1900年9月5日 「家政婦たちが私の叫び声を聞きモーガン先生に連絡した。(私に知らせずに!)私は確かに恐ろしい声を聞いたの。彼は(モーガン先生)薬の副作用だと思っている。私が薬を濫用したため幻覚の原因。モーガン先生は新しい子供の世話係に私が薬を正しく飲むように言っていた。もしかしたら本当に幻覚かも」

1990年9月9日 「薬のせいで昼夜逆転。夜に木製の何かが動く音とクスクス笑い声を聞く。子供たちがふざけているのかと思い様子を見に行くと子供たちはベッドで寝ていた。2階の廊下で子供たちの世話係タムシンと会った。幽霊をみたかのように隣の部屋に私を引っ張り込みこの部屋から出てはいけないと薬を渡す。その薬を投げる、なぜ子供たちと会ってはいけないのか!どうして部屋に1日いなければならないのか。世話係のタムシンではなく子供たちには母親が必要。こんな夜中にタムシンは何をしていた?気を付ける必要がある」

1900年9月14日「この家で何が起きているのか理解できない。誰も信じることができない。子供たちの部屋に入った瞬間、狩りに出かけて帰ってきたハロルドと同じ臭いにきづいた。ベッドの下に首を斬られた動物の死体を見つけた。すごい量の血。私は子供たちを私の部屋に連れてきて片づけをするよう使用人たちに指示。誰かが私が気が狂うように仕向けて子供たちを私から引き離そうとしているんだわ」

1900年9月15日「昨日の夜子供たちは熱を出して震えていた。救急箱を取りにタムシンの部屋に行くと彼女は部屋の真ん中でぞっとするような人形の前に座っていた。記号と円、動物の死体が転がっていた。彼女は魔女だったのよ!その後気を失った。覚えているのは彼女を一番奥の部屋まで引きずっていってカギをかけて閉じ込めたということ。その後子供たちの体調が良くなった。人形はチェストの中に隠し、誰もみつけられないようにした。魔女は明日の朝どうにかしないといけない」

1900年9月16日「私の耳に誰かが囁いているので目が覚めた。目を開けると顔のない人形が椅子に座っていた。すごく怖かった。私がその人形に近づくと逃げた。私は暖炉にあった斧をもって追いかけたわ。子供たちの部屋に隠れようとした。私は斧を振りかざした。すると誰かの甲高い声が聞こえた。みると人形が後ろで私を笑っていた。私は素早く捕まえて逃げないように斧を振りかざし続けた。あれは何だったの?ハロルドはこの人形をどこで手に入れたのかしら?これがは幻覚や薬の副作用ではない。現実に起きていること」

1900年9月17日「昨日のおぞましい出来事ののち悪夢で目が覚めた。子供たちの様子を見に行った。タムシンが子供たちの部屋の中で何か呟いていた。彼女の足元に血まみれになった子供たちが横たわっていた。タムシンは私が部屋に入ってきたことに気づき襲ってきた。お前のせいだ!と。家政婦たちが叫びを聞きタムシンを私から引き離す。彼女は私に対する怒りと憎悪で歪んでいた。彼女は私が子供たちを殺したと言い続けていた。彼女は私の子供を殺したので私は彼女を殺す。私たち(家政婦たちを含め)は彼女を裏庭に吊るしたが家政婦の一人(メレディス)が私を裏切り彼女の子供を逃がした。ハロルド、エリー、ティミーこの苦しみとどう向き合ったらいいかわからない」

1900年10月31日 「家政婦は全員、命の危険を感じて去ってしまった。彼らの話すことがずっと聞こえてきて、私は眠ることすらできない。悪魔のクスクスという笑い声頭がおかしくなりそう。すべてから逃れる方法は1つしかないことはわかってる

自分なりの考察

このゲームには2つの悪霊が存在する。1つはゲーム中主人公を追いかけまわしていた母親の悪霊。もう1つはすべての元凶となった、父親ハロルドが子供たちのためのお土産として買ってきた人形に取りついていた悪霊だ。

追いかけまわす母親はタムシンを首にかけた張本人なのだから、家政婦の1人メンディスによって逃がされたその息子である主人公も、憎しみの対象に違いない。

追いかけまわされる中で大人になった主人公は屋敷で起こったことを母親の日記を読み取ることで知らされることになるわけだが、前述の日記の内容から色々なことを読み取れる。

まず、主人公の母タムシンはこの人形に悪霊が宿っていることを誰よりも早く察知していた。そして悪霊退散の方法を模索し一人で対峙してきたことを日記から読み取れる。そして悪霊を人形の中から出てこれないよう防護壁をつくることに成功した。ただゲーム中では「人形に魂を入れる方法」の半切れの紙を発見する。人形の中に霊を閉じ込めたことは間違いないのだが「入れる」という表現は外からの霊というニュアンスがある。元々人形に入っていた霊と符合しない。そのあたりは誤訳なのだろうか。

いずれにせよ、タムシンの最後の手紙「私は他の人のために一生懸命にやってきた。」という書きだしはタムシンが悪霊と闘ってきたことを裏付けている。

しかし、物語の途中「助けてくれ」と呼びかける人形にピーターが耳を傾けてしまい人形のパーツを取り戻すシーンがある。

人形は言う「12年前、私は命をかけてお前を守ったがそれからここで囚われの身。離れることができない。お前だけが私たちを自由にできる。現れる子供たちの霊(ティミーとエリー)は呪いによって今まで苦しめられてきたので少し変わってしまった。時々自分ではない自分になる。」

そう、人形は父親のふりをしてピーターを騙し、自分が自由になるため人形にある防護壁を取り除いてもらうよう画策したのだ。「子供たちのためにも私をここから出してくれ」と。それはさももっともらしく聞こえる。

まんまと騙されたピーターは言われるがまま人形のパーツを集め、防護壁を自分の血によって取り除いてしまった。

一連の行動を見ていたエリーは「あんたは私たちを裏切った」と誤解してしまう。そらそうだろう、彼女はわざわざ見つからないところに人形のパーツを隠したのにそれをすべて見つけてしまったからだ。主人公が迷路のような図書館で人形のパーツを取り戻した時、エリーは自分の頭を壁に打ち付け悔しさを表現していた。

その後ティミーも人形のパーツを持ち去り屋根裏へ上がっていた。これは子供たちの「騙されないで!」という警告だったのだ。

主人公は物語が進む中で、母親が人形に操られ自分の子供たちを殺めた場に自分も居合わせていたことを思い出す。すべては「人形の仕業」であることを。そして母親タムシンが自分の命に代えて自分を守ってくれたことにも気づく。

主人公がすべての誤解を正すためには、母親の儀式を完遂する必要があった。つまり悪霊を屋敷から追い出す(閉じ込める)ため、家族の絆を示すアミュレットと屋敷にあるアコニットを探し出すことだ。

終盤人形を魔法陣の中にかざすとすべての元凶の悪霊が姿を現す。ピーターが自分の命と引き換えに失われた信頼を取り戻した時、この屋敷の住人たちの霊は成仏することになる。それが最後のエリーに手を引かれて屋敷の外に出ていくシーンにつながる…。

ここで疑問が生じる。なぜ主人公は死ななければならなかったのか。これは自分の読み取り不足かもしれないが、別に血だけが必要なら指先を切って血を滴らせ魔法陣に振りかけるだけでも良かったのではないか(そういうシーンはこの手の話によくある)

現にタムシンが魔法陣で閉じ込めようとした時には日記からは動物の血を利用していたことがわかる。従って主人公が命と引き換える必要があったという根拠がゲームからは読み取れず、「何もそこまですることはないだろ?」と思ってしまった。そこの必要性をもっと描いて欲しかった。

自分が個人的に感じたのはエリーとタムシンはかなり強い絆で結ばれていたということ。ノイローゼで引きこもっていた母親の代わりに子供たちの世話係として紹介されたタムシンはわが子ももちろんだが、エリーやティミーが心配だったに違いない。エリーはハロルドからもらった人形のことをタムシンに話し、タムシンは人形に良くない霊が取りついていることを察知した。

エリーはタムシンが魔法陣を描き、防護壁で閉じ込める様子を見ていたに違いない。つまり”どうすれば悪霊を人形に閉じ込めることができるか”その方法をピーターに教えたかった違いない。

だからこそ逆に人形に騙され防護壁を取り除いてしまったピーターを「裏切り者」とみなしても少しも不思議ではない。

母親の代わりに目的を完遂し、最後自分の手を引いて外に連れて行ったエリーをピーターは愛おしく感じたに違いない。やり遂げた達成感と安堵を見て取れる。

先頭を歩くティミーもゲーム中やたら出てきた。大抵が転がるボールと一緒にだ。それはよくピーターにボールで遊んでもらっていたことを暗示している。家族の絆を示すアミュレットの一つにそのボールもあったからだ。

つまりアミュレットひとつひとつはピーターがこの屋敷の登場人物との強いつながりを示すものであり、それがあったからこそ悪霊を閉じ込められたという事実は物語としてよくできていると思った。

ただ、怖がらせるだけで終わらずゲームが進むにつれて真相に近づいていく謎もしっかり描いてくれた開発者に感謝したい。

最後に

以上が自分の考察なのだがいかがだろうか。概ね合っているとは思うのだが細かな部分は間違っている可能性も高い。

ただ、このようにクリア後に考察記事を書きたくなるほどこのゲームは印象深かったことは間違いない。

皆さんにも是非プレーして頂き考察していただければ幸いだ。

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